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Lubricate us with mucus. ──2nd season 盈則必虧編

   汝自己のために何の偶像をも彫むべからず

( ゚Д゚)<新世紀の奴隷

「義務──
 金銭、宝石類は、すべてこれを所有あるいは受領しないこと。次の所持品のみ許可──最も簡素な衣服(細目は別に定める)、労働に必要な物品、書籍、本人用の食糧。他はすべて貧しい人びとのものとする。
 ただ労働のみによって生活の資を得ること。健康を損なうことなく体力がそれに応じられるとき、いかなる労働も避けないこと。職種は、自分で選ぶか、またはこれが不可能なときは、政府の配下にある労働評議会の指示に従うこと。
 二日間、生活必需品(細目は地方ごとに定める)を除いては無報酬で労働すること。
 節度ある生活。食事は、必要不可欠なものだけにとどめること──たとえば、身体にたいする最低給付として、それはある意味で最高給付でもあるが、パン、水、なつめ椰子の実。極貧の人びとの食事、極貧の人びとの寝床にならうこと。
 雇用者にたいする関係は、信頼関係として取扱い、裁判所の仲介は絶対に求めないこと。いったん引受けた仕事は、いかなる事情があっても、重大な健康上の理由により止むをえない場合をのぞき、最後までやり遂げること。
 権利──
 最高労働時間は六時間、肉体労働の場合は、四ないし五時間までとする。
 発病のとき、および就労不能の老齢に達したときは、国立の老人ホーム、病院へ収容。
 労働生活を、良心の問題、同朋にたいする信頼の問題としていとなむ権利。
 持参した財産を、病院やホーム建設のため、国家に寄付する権利。
 当分のあいだ、すくなくとも自家営業者、既婚者、女性は除外。
 評議会は、(重要責務)政府との仲介・折衝にあたる。
 資本主義的企業においても、〔二語判読不能〕。
 援助可能な場所、すなわち荒廃した地方、施療院などで、教師として奉仕できる。
 男子五百名を最高限度とする。
 一年の見習期間。」
(カフカ「断片──ノートおよびルース・リーフから」)
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