忍者ブログ

Lubricate us with mucus. ──2nd season 盈則必虧編

   汝自己のために何の偶像をも彫むべからず

( ゚Д゚)<デコンストラクションの欺瞞

「M・ブランショからM・フーコーやJ・デリダといったフランス現代思想家の営為は、極めて難解かつ晦渋であることで知られている。かれらのその難解さは、ナチズムとファシズムによる暴虐と第二次世界大戦における民主主義陣営の勝利ののちに、正面から近代の価値とその核心であるヒューマニズムを相対化することができなくなったフランスの知性が、その禁忌を苦心惨憺して迂回しながらヒューマニズムを解体しようとした試みによって必然的にまとってしまった装いであり、またその隠蔽を助ける鎧でもある。しかし、哲学的内容はもちろん、事実関係においてもさして新味のないV・ファリアスの著作〔『ハイデガーとナチズム』一九八七年刊〕が大規模な反響をまきおこした背景には、エコロジーや人道主義の夜郎自大な露呈に先導されたヒューマニズムの大きな反動的勃興があり、特にさきごろ死去したP・ド・マンの弁護にも懸命のデリダの立場は、まことに苦しいものがあるかに見える。」
(福田和也『奇妙な廃墟』)
PR

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

プロフィール

HN:
trounoir
性別:
非公開

P R