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Lubricate us with mucus. ──2nd season 盈則必虧編

   汝自己のために何の偶像をも彫むべからず

( ゚Д゚)<パッション

「われわれは〔大塩〕平八郎の学説を検討していくとこの辺りからだんだん現代との共通点へ入っていく。われわれは心の死にやすい時代に生きている。しかも平均年齢は年々延びていき、ともすると日本には、平八郎とは反対に、「心の死するを恐れず、ただただ身の死するを恐れる」という人が無数にふえていくことが想像される。肉体の延命は精神の延命と同一に論じられないのである。われわれの戦後民主主義が立脚している人命尊重のヒューマニズムは、ひたすら肉体の安全無事を主張して、魂や精神の生死を問わないのである。
 社会は肉体の安全を保障するが、魂の安全を保障しはしない。心の死ぬことを恐れず、肉体の死ぬことばかり恐れている人で日本中が占められているならば、無事安泰であり平和である。しかし、そこに肉体の生死をものともせず、ただ心の死んでいくことを恐れる人があるからこそ、この社会には緊張が生じ、革新の意欲が底流することになるのである。」
(三島由紀夫「革命哲学としての陽明学」)
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