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Lubricate us with mucus. ──2nd season 盈則必虧編

   汝自己のために何の偶像をも彫むべからず

( ゚Д゚)<死にたい

「問題の重大さにひきかえ、自殺についてはほとんど書かれていないし、研究もされていない。おそらくこの病気は研究不可能なのだろう。自殺とは、名誉と区別して自己尊重とでも呼びたい感情の結果である。自分を軽蔑するとき、自分が軽蔑されていると感じたとき、人生の現実が自分の希望と一致しないとき、人は自殺し、社会に敬意を表するのだ。なぜなら美点も栄光もひきはがされた姿を社会の前にさらすまいとして自殺するのだから。なんと言おうが、無神論者のうち(キリスト教徒は自殺者から除かなければならない)、不名誉な人生を受け入れるのは卑怯者だけである。
 自殺には三種類ある。まず長わずらいの最後の発作にほかならないような自殺。これは確かに病理学の領域に属するものだ。それから絶望による自殺。そして理性による自殺である。リュシアンが自殺しようとしたのは絶望と理性の両方によるが、それらの自殺は思い止まることができるものだ。というのも止めようがないのは病理学的な自殺のみなのである。しかしジャン=ジャック・ルソーの場合のように、三種類が結合している例も多い。」
(バルザック『幻滅』)
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