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Lubricate us with mucus. ──2nd season 盈則必虧編

   汝自己のために何の偶像をも彫むべからず

( ゚Д゚)<冷血の詩学

「「杏」。知っている人はまずいない。杏は女性2人からなるデュオであり、73年のシングル一枚のみで消え去った。それ以外/以降の情報はない。俺はあるところで彼女らの曲を聴き、打ちのめされた。フォークながら細やかかつ壮大なアレンジ。そして厭世的というには収まらないほど決定的に醒めた歌詞。絶対に治らない傷を直視させられるような。逃避の歌だが決して卑屈でない。そのたった一枚の奇跡のシングルをずいぶん探したものだ。それがあっけらかんとこのオシャレなCDに決まり悪そうに2曲とも収録されている。故に必携である。
A面『風は何も恐れはしない』−「ふりかえらなくてもいい/あなたを追う人はない/はだしでどこまでも/駆けておゆきなさい/風は何も 恐れはしないよ/気の向くまま 吹いてゆくだけさ/ひとりぼっちだっていい/あなたは生きてるの/痺れてとまっても/風がおしてくれる」「すべての愛したもの/あなたは捨てたのよ/二度ともどれない/世界へ向かうよ」。B面『輝く明日はない』−「昨日と同じことが/起こりそうな気がする/夕陽に叫んでみても/涙さえ消えない/妹よ泣かないで/笑顔を見せて/私は行ってしまうけど/しかたがないことさ/ゆめを求めて行くんじゃない/悪くなるものから ただ逃げるだけ/くずれてしまった夢は/もうなおせはしない/いのちが永遠に続いても/かがやく明日はない」。」
(nos/unspiritualized「喫茶ロック『地球はメリーゴーランド』」)
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