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Lubricate us with mucus. ──2nd season 盈則必虧編

   汝自己のために何の偶像をも彫むべからず

( ゚Д゚)<安全黙示録

「まるで印刷所の鶏小屋みたいにわめき散らす
    新聞のたわごと
乾いた埃や散らばった紙屑が吹きまくり
悪臭、汗、すえたオレンジのにおい
糞、宇宙の最後の汚水溜
曖昧、硫酸、
臆病者、などが荒れ狂っている
宝石を泥のなかになげすて
    ちっとも汚れないのでわめき散らしている。
    …………

きたない蠟のように溶ける
    古いロウソク、だんだん沈んでいく尻
尻の下にもぐった顔
その下のどろどろした沼のなかには
裏返された足の裏と足の裏
    手の平と手の平を合わせている手先や扇動家たち
パースとマックドノーを殺した連中
    拷問の親玉のH隊長。
    …………
糞のなかに穴を掘る黒いゴキブリたち
老朽した土、食物のかけらで一杯のどろ沼
失くなった輪郭、腐乱。

    地獄のはきだめの上に突き出た
でかい尻の穴
    がらくたで押しつぶされ
鐘乳石を垂らし
    ウェストミンスターの空みたいに油じみていて
姿のない、多ぜいのイギリス人たち
    興味のない場所
類のない醜悪さ、どうしようもない老朽
キリスト教の象徴をふりかざしながら
    絹を通して放屁する悪徳の宣教家たち
安物のブリキの笛を鳴らす××
ニュースを運ぶハエたち、空中に糞をたれる欲ばりたち。

愛嬌のない嘘つきたちの沼
    愚行の湿地
悪意にみちた愚行のかずかず
害虫だらけの汚物で生きている膿
生きた蛆虫をうむ死んだ蛆虫たち
    スラムの所有者たち
ケジラミをつぶす高利貸たち、権威のとりもち連中
本文を言葉いじりであいまいにして
自分のうしろに本文を隠してしまう
    積み重ねた石本の上に腰かけている屁っぴり学者たち
沈黙の憩いの場もない空気
    乳歯の生えどきのシラミの群
とりわけ演説家のえらぶったお喋り
    説教家たちの放屁。」
(エズラ・パウンド「詩篇 第十四篇」)
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