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Lubricate us with mucus. ──2nd season 盈則必虧編

   汝自己のために何の偶像をも彫むべからず

( ゚Д゚)<笑うな

「俺は、人のナマの欲望というのが徹底してダメだ。それは、怖い。どう説明していいかわからないんだけど、とにかく無条件に怖い。そしてきもちわるい。俺はよく「恋愛感情を持ったことも、持たれたこともない」って書くんだけど、これ、いくぶんかの嘘を含んでいる。正確には「俺が想定する正当な恋愛感情を」持ったことも持たれたこともない、ということなんだろうと思う。生物としての「オンナ」、いや、いっそ「メス」と言っていいか。そういう視線や表情を見てしまうと、どうにもならないくらいの嫌悪感がわく。口のなかが酸っぱい唾でいっぱいになるような。ちなみにこれは、こういう感じかたをする俺のほうがおかしい。これは断言しておく。
 とにかく、無条件でわかる。メスになった女の子は、よく笑うようになる。その笑いは微量の、あるいは多量の媚びを含んでいる。単なる笑みというのではなく、そこになにか粘性のものが含まれている。そして、皮膚の下が肉で充満しているように見える。もし皮膚に触れたなら、ひたっとした感触があって、指にまとわりつくような感じだ。
 …………
 なにをきっかけに、女の子の一部がそうなってしまうのか、といったら、たぶんだけど、男性に欲望されることを通じて、自分の肉体を再発見したような場合だと思う。その絶対的な肯定感、快楽、充実に「飲み込まれて」しまっているような状態。飲み込まれることを自分に対して許容するだけの矮小な自我。根本的にはそういうものが「無理」なんだと思う。飲み込まれてしまったものは、人間ではないものに見える。」
(G.A.W.「怪物」)
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