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Lubricate us with mucus. ──2nd season 盈則必虧編

   汝自己のために何の偶像をも彫むべからず

( ゚Д゚)<傷だけが説得力を持つ2

「私自身は、書くときに音楽は聴かない。でも、生活にどうしても音楽が必要だと感じるのは、書くために、と、言い換えられるような気もする。
 音楽はある種のDRUGだと思う。神経をたかぶらせたり鎮めたりする。言葉では届かない場所に触られた気がし、心がかき乱される。
 音楽を聴きたい、と欲することは、多かれ少なかれ、かき乱されたいと欲することだ。
 なんのためにかといえば、おそらく、自分の振幅に耳を傾けるために。誰かに、あるいは何かに、かき乱してもらえない限り、どんな楽器も鳴ることはないのだ。
 何かを表現しようとすることは、つまり自ら楽器になることだし、それが安物だろうと玩具だろうと、音が悪かろうと壊れていようと、楽器である以上音を出す以外にすることがない。」
(江國香織『泣く大人』)
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