忍者ブログ

Lubricate us with mucus. ──2nd season 盈則必虧編

   汝自己のために何の偶像をも彫むべからず

( ゚Д゚)<無意識を読む

「ある作品を繰り返し鑑賞するとは、作中の人物達が生きた世界を生きられたまま細部に渡って体験すると同時に、制作者の創作過程に限りなく近づくことをも意味する。一度目には遣り過した箇所は二度目には背景から浮び上がり、作者がそこに時を費した事実が、創作時の作者自身に関する予断の修正を迫りながら、作品の構図そのものを変える。三度四度の鑑賞に耐えるとは、無論その作品の底が割れず、未知の発見を期待させる奥行きを秘めていることと同義である。しかし十度二十度に鑑賞が及ぶとき、恰も読者は主人公と共に「過去」を何重にも生きながら、既知の世界に新しい体験を重ね、同時に作者の無意識の襞に分け入って作者の創作過程をも共有する。」
(井上義夫「アメリカの幻燈」)
PR

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

プロフィール

HN:
trounoir
性別:
非公開

P R