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Lubricate us with mucus. ──2nd season 盈則必虧編

   汝自己のために何の偶像をも彫むべからず

( ゚Д゚)<細部に悪魔は宿る

「それからよくあるのは警報の計器がありますね。あの計器は異状になったら赤色のランプがつくのが常識みたいに思われますけど、これが曲者なのだそうです。つまり落ちるか落ちないかというような事故の時はたいてい全部の計器が赤色になるんです。ですから異常になったら全部赤になって、どうしていいかわからなくなるわけであって、それで対策が立てられないという事態があったそうです。
 それでシステムをいろいろ変えて、まず重要なものだけ赤ランプがつくようにしたと。そうすると周囲の事が忘れられるんだそうです。こんどは重要なことは自動装置にして、どうでもいいことだけを手でやるようにすると、今度はそれはそれで重要なことがシステムが故障したときにうまく行かない。周辺的なものに我々の注意が向かったときにいかに大きなところを抜かしてしまうかというのは、たとえばフロリダで飛行場の手前で墜落したときは、小さな電灯がひとつ切れたという警報がついたんで、副操縦士が床に潜って直していると、高度が異常に下がって、沼地に突っ込んでしまったということがあります。」
(中井久夫「危機と事故の管理」)
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