忍者ブログ

Lubricate us with mucus. ──2nd season 盈則必虧編

   汝自己のために何の偶像をも彫むべからず

( ゚Д゚)<せめて書くことの抵抗を

「それゆえ、批評においても、何を書くかということよりいかに書くかということが問題である。たとえば、怒りや悲しみがいかに真率なものであってもそれをことばにすれば凡庸であり他人を感動させないのは、それらが本来伝えがたい失語の溝を一挙にとびこえて社会化されたクリシェに頼ってしまうからだ。固有の怒りや悲しみでありながら、ことばにしたとき私たちは他人の怒りや悲しみしかもつことができないのである。書く意図や動機がどんなものであっても、私たちは社会的言語との格闘を経なければリアリティを実現することができない。したがって、いかに書くかは技術的な問題ではなく、もっとも倫理的な問題であり、ここにすべてがふくまれる。」
(柄谷行人「批評家の「存在」」)
PR

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

プロフィール

HN:
trounoir
性別:
非公開

P R