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Lubricate us with mucus. ──2nd season 飛翔編

   Be fierce as fire is fierce.

( ゚Д゚)<欠如と向き合う

「────どうして或る種の人たちは愛し方を知らないでいるのでしょう?
ミレール 或る種の人たちは、他者、たとえば何人かの愛人に──男でも女でも同様に──、愛を引き起こすやり方を知っています。彼らは相手のどのボタンを押したら愛されるようになるのか知っているわけです。彼らは自分から他者を愛する必要はありません。ただ彼らは囮をつかって、猫と鼠の遊戯にふけるっているに過ぎない。しかし愛するためには、あなたは自分自身の欠如を認め、あなたが他者を必要とすることに気づかなければならないのです。あなたはその彼なり彼女なりがいなくて淋しいのです。己が完璧だと思ったり、そうなりたいと思っているような人たちは愛し方を知りません。そしてときには、彼らはこのことを痛みをもって確かめます。彼らは操作し、糸を引っ張ります。けれども彼らが知っている愛には、危険も悦びもありません。
 …………
────自分を完璧だとするなどは、ただ男性だけの場合のように思えますが……。
ミレール まさに! ラカンはよく言いました、「愛することはあなたが持っていないものを与えることだ」と。その意味は、「愛するということは、あなたの欠如を認めて、それを他者に与える、他者のなかにその欠如を置く」ということです。愛するとは、あなたが持っているもの、なにかよいものを与えるのではない、それを贈り物にするのではないのです。あなたが持っていないなにか他のものを与えるのです。そうするには、あなたは己れの欠如──フロイト曰くの「去勢」──を認めなくてはなりません。そしてそれは女性性の本質です。ひとは、女性のポジションに身をおくときだけ本当に愛することができます。「愛を与える女性」とはそういうことです。男性の愛がいつもやや滑稽なのはその理由です。けれども男性がそのみっともなさに自身を完全に委ねたら、実際のところ、己れの男らしさがさだかではなくなります。
 …………
────男にとって愛することは女より難しいということでしょうか?
ミレール まさにそうです。愛している男でさえ、愛する対象への誇りの閃きと攻撃性の破裂があります。というのはこの愛は、彼を不完全性、依存の立場に導くからです。だから大抵の男は彼が愛していない女を欲望するのです。そうすれば彼が愛するために中断しなければならなかった男らしさのポジションに戻ることができます。フロイトはこの現象を「性愛生活の(価値の)下落」と呼びました。すなわち愛と性欲望の分裂です。」
(ジャック=アラン・ミレール「愛について」)
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