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Lubricate us with mucus. ──2nd season 盈則必虧編

   汝自己のために何の偶像をも彫むべからず

( ゚Д゚)<日本文学の復活

「毎日生活していって、いつのまにか五月二五日になりました。「今日は二五日。」あっ、そういえば、今日以降を大切にしないと後悔するのだった。
 私はとにかく大切にしようとしました。しかし、時間にルーズになり、人間付合いがザツになって行きました。
 心がつかれているのね。少し休んでみない。学校は休めないのなら、学校以外の所で休んでちょうだい。こんなささやかな人の気持ちも受け入れる心の余欲が今の私にはなくて、彼が来て結婚する事しか考えていない。“早く”これが六月に入っても続き、一日目より二日目が大きくふくらみ、二日目より三日目が大きくふくらんだ彼への期待は、三日目を過ぎると急に不安になり、日々日々に彼が来る自信はなくなって行きます。同じく“早く来て”とは思っていても、意味が違うものになりました。
 私は増々焦ります。光司さんが来ないのなら、誰でもいいから来て。もう六月になっている。この六月が終わらない内に来て下さい。
 …………
 私は六月が終わるまでは心の奥底で光司さんを待っていました。それでもまだ彼を待ってみようと、彼が来る事に期待していたら、一学年下の先生が私達(二年生)のいる所へやって来て、「僕について来て下さい。」とおっしゃいました。私達はおもしろがりながらついて行くと、そこはちゅう車場でした。止めてある車を見てみると、いつもより二台程多かった。私の車はブルーバード。満足満足。「先生、いったいどうなされたのですか?」と生徒が言っている。
 男が女にモテようとしている。女が男にプレリュードと言うと、男は大学もいかずにバイトをする。お金がたまってプレリュードを買う。女は今度、プレリュードよりも高いものを男にねだった。
 これはよくないとおっしゃった。いつもより多い二台を見ると、二台ともプレリュードでした。この車を買った男二人とも、この先生と顔みしりだっただけでこの事件は起きた。
 「なんだ、そんな事。」と言いながら皆んな帰っていくから私も帰っていく。残された先生はムカついてプレリュードにケリをいれて足が痛くなってしまわれた。プレリュードは何ともなっていない。
 バカ者が!」
(猫田道子「うわさのベーコン」)
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