「このあいだ君は僕にききました……僕の計画と前途の見通しについて。僕は君の問いにびっくりしました……もちろん僕には全然なんの計画も、なんの見通しもありません。将来にむかって歩くことは僕はできません。将来にむかって駆け込むことは、将来にむかってころげ込むことは、将来にむかってつまずくことは、これはできます。一番うまくできるのは倒れたままでいることです。しかし計画や見通しは本当に持っていません。うまく行っていれば、僕は現在でいっぱいです。うまく行っていなければ、きっとまず将来を呪うように現在を呪います!」
(フランツ・カフカ「フェリーツェ宛書簡(一九一三年二月)」)