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Lubricate us with mucus. ──2nd season 盈則必虧編

   汝自己のために何の偶像をも彫むべからず

( ゚Д゚)<賭博者=恋愛者の幻想(反復とあいまいさ)2

「……これは次のことを意味している。性は、まさに〈絶対〉として、不可能でリアルな〈物〉として、〔直接的な把握から〕つねに逃れる参照点として、迂回や歪曲を経ることによってのみ接近可能であるということである。直接的に接近可能な性は、卑俗で生物学的な活動にすぎず、本当に「性的」であるわけではない。この活動は、繰り延べや迂回といったクモの巣にとらわれたときにのみ、実際に性的になるのである。
 この点について、日常生活に関する高尚な理論によって語るのではなく、性をめぐる駆け引きにおける一つの戦略を例にとって説明しよう。それは、言われたこと/言われないことを巧みに操作し、エロティックな意味にもとれる言葉の一部をあいまいに強調するやり方で、ただちにそうした意味をぼかしながらもエロティックな効果を完全には消さずに残しておく、という戦略である。……ラカンが述べたように、まさにこの意味において、セクシュアリティは話された言葉の切れ目やギャップに書き込まれている。エロティックな意味は、あいまいで間接的なやり方で伝えなければならないというのは、礼儀という規則があるためではない。まさにこのあいまいさ(「ええ、できます」の意味の二重性)こそが、その場をいっそうエロティックにするのだ。こくした理由から、〈絶対〉は潜在的=仮想的(エロティックなゲームにおける不可能な参照点)なのであり、だからこそ脆くはかないのである。硬化していて生気がなく、ただなんとなく存在しているのは日常の現実であり、どこまでも脆くはかないのが〈絶対〉なのだ。」
(ジジェク『性と頓挫する絶対』)
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