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Lubricate us with mucus. ──2nd season 飛翔編

   Be fierce as fire is fierce.

( ゚Д゚)<愛は破壊のタブロー

「あなたの隣人をあなた自身を愛するように愛しなさい。
 自分を愛するように他人を愛するのはなぜ困難なのか。結局は自分が可愛い、他人の心はわからない、いろいろ言い様はあるだろう。だが根本的にはこうだ。それは生き物を殺す自分を愛するということであり、同時に、生き物を殺す他人を愛することでもあり、さらに一歩進めて、自分という生き物を殺す他人を愛せよということになるからだ。この一歩を踏み出さない限り、それは単に、弱い者がさらに弱い者を叩く「循環小数の輪廻」を肯定するだけになる。たとえば「なめとこ山の熊」の小十郎は熊に殺されることを受け入れ、「烏の北斗七星」の隊長は憎むことのできない敵を殺すが、両者がいかに切実であろうと、それはやはり現状肯定の論理になっている。さらに自分が愛する相手にならば殺されても構わないと思うこともあるかもしれない。だから真の困難は次の二歩目にある。キリストはその愛を万人に向けよと言う。たとえ敵であっても、憎むべき相手であっても、愛をもって自ら殺されることを受け入れよと。いや、言うだけではなく、実行した。キリストは自らの意志で十字架に架けられた。この自己破壊こそが人間にとって最大の難関となる。それが「自分を愛するように隣人を愛せ」という命題の恐ろしさなのだ。」
(大澤信亮「宮澤賢治の暴力」)
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