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Lubricate us with mucus. ──2nd season 盈則必虧編

   汝自己のために何の偶像をも彫むべからず

( ゚Д゚)<夢の分子構造2

「確かに私はそこにいた。そしてそのとき、私は夢を生きていた。夢という環境のなかで、夢を見ているとはまったく思わず、自分なりに整合性のある行動を取っており、しかも世界は私の行動に対応してその都度姿を変えた。
 夢の記憶を探るとき、私の身体は、私の頭の中で世界を作っている。これはどういうことなのだろう。今、こうやって書きながらも脳内で再生されているこれらの光景は、何を意味しているのだろう。
 ……あまり、こういう理屈を好まない人もいる。当然である。だが、私は敢えて問いたい。なぜ、夢の中の風景のほうが余程リアルに感じられるのか、と。
 …………
 ここではじめて、感情という言葉が顔を出す。つまり、こうは言えないだろうか。感情とは、差し当たって、仮想空間に「住まって」いる何かであると。仮想空間は、現実から遊離してはいない。むしろ、夢と同じく現実の利害にその生を負うている。となると、そこに住まうことは力学的な安定からはもっとも遠い事態であるはずである。主体でもあり、場でもあり、場との相互作用のうちに姿を変えていくものでもあり……言い換えると原子なのだ。
 …………
 そうなると、原子としての「わたし」の現実における振舞いとは、どのようなものになるのだろうか。仮想と現実との関わりにおいて、現実がむしろ「材料」になる事態が生じるのではないだろうか。
 …………
 さて、こうして現実を徹底的にプラグマティックに観測してみると、あることに気付く。各々の原子が通じ合うための手段は法則性のレベルにしかなく、現実とは畢竟資材置場にすぎないということに。」
(encore@conceptionfork「感情の原子」)
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